終点は異世界でした。



ずっと使われてきているようなレトロな駅に、感動しつつ切符を買った。


人は誰一人いなくて、静かな駅に伸び伸びしながら電車が来るまで駅を探検することにした。


ホームには三人がけのベンチ、待合室のオシャレな窓縁。


ホームから見える景色も緑いっぱいで気持ちが落ち着く。


いつもの現代っぽい駅とは全く違うこの感じに、気分が上がる。



『間もなく電車が入ります。危険ですので、黄色の線までお下がり下さい』



色々見て回っていると、アナウンスが入り渋々と探検をやめた。


見慣れた電車が入って来て、ゆっくりと私の前で止まる。




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