終点は異世界でした。
「私も……ずっとずっとあなたを探してた。電車に乗って宛のない旅をしてたのも、花を見ては懐かしい気持ちになったのも、全部アルスを探していたからだったんだね」
「俺も、カンナがいない世界なんてつまらないって、ずっとこっちの世界に行けるようにって、頑張って追いかけて来た」
「ふふふ、お互い必死に探してたんだ」
落し物が何か分からずにさ迷っていても、いつか必ず見つけられる。
例え険しい道のりだったとしても、手に手を取ればきっと必ず。
それを教えてくれたーーアルスと一緒なら。
抱きしめる力を緩めて、手を差し伸ばす。
「アルス、私が道に迷わないようにもう一度、手繋いでてくれる?」
「もちろん。ずっとずっと、カンナの傍でその道を示していくよ」
キュッと握られた掌に私は新しい、アルスとの道を歩み出した。
*END*