moon~満ちる日舞う少女~【外伝】
【翌日】
母「真田、今日も学校楽しんで来なさい」
真田「……母さん俺…」
母「学校やめるなんて聞かないから」
真田「けどそれじゃあ母さんが苦しむだけだろ?!俺にもなにかさせろよ!!!母さんだけが苦しむの、見たくねぇ」
そういうと何故か母さんは笑った。
母「バカね。母さん今の生活でも、幸せよ」
真田「ーっ!!そんなわけねぇだろ!!!!」
母「本当よ。………だからね、真田。母さんのことは心配しないで?」
俺はなにも言えなかった。やせ細って、衰弱して、それでも笑う母さんに…
母「ほら、行きなさい。」
真田「……行ってくる」
母「うん、行ってらっしゃい」
俺は母さんの言葉が理解出来ない。今のままで幸せ?……そんなわけない。
あんなので、幸せなんて。あるわけねぇんだ…
ーブッブー!!!ー
岡「ゴラァ!!真田!!」
真田「……あ?岡セン?」
んでこんなとこに。
……あ?……俺なんでこんなとこで止まってるんだ?
岡「車、後ろ乗れ」
いまいち今の状況を飲み込めていないが、俺は言われた通り岡センの車に乗り込んだ。
岡「ったく、なんで赤信号だって言うのに横断歩道に突っ立ってんだよ!」
真田「……しゃーせん」
岡「…………なんかあったのか?」
真田「…なんも」
岡「そうは見えないけどな」
真田「…………なぁ、幸せってなんだと思う」
岡「さーな」
真田「は?」
予想外の答えに思わずそう口から漏れていた。
岡「幸せなんて人それぞれだろ。誰かが勝手に決めていいもんじゃない」
真田「……じゃあ岡センの幸せは」
岡「んー……俺は今こうやってお前と話していられるだけで幸せだな」
岡セン……
真田「きもっ」
岡「んだと?!!」
真田「俺、そーゆう趣味ないんで」
岡「違っ、ちげぇよ!!!…そういう意味で言ったんじゃっ!!ってうぉぉぉ!!!」
動揺してこっちを向いた岡セン。それにより車が斜めに進み危うくぶつかりそうになった。
俺は体を左、右と倒れながらもそんな岡センに感謝した。