moon~満ちる日舞う少女~【外伝】
「んでさー」
ービクッー
あの作戦のメンバーじゃないやつか……。ここからは人が多くなる。それに、俺があの部屋を出たことが知られるのも時間の問題。
早く敦を連れて逃げないとっ!
ーカン、カンー
真輝「ここが……地下……」
敦は……!
ここじゃない。ここでもない。どこにいる。早く。まだ見つからない。どこだ。ここも違う。なんで見つからない。どうして。まだ探せばいるはずだ。どこかに必ず。こっちも違う。こっちも。こっちも。こっちも。
真輝「…………あつ……し…?」
最後の牢屋にも敦は……いなかった。
ーガクンっー
まさか。と嫌な考えと、おぞましい感覚が襲いかかる。
真輝「いや、そんなはずは……敦は生きてるって……」
生きてるって?誰がそう言った?……俺達を道具に来てきた大人だ……
もしあれが嘘だったなら、敦はもう……
真輝「ヴワァァァァアアァァァア゛!!!!!!」
もうだめだ。敦がいないこの世界なんて生きていけない。苦しい。憎い。消えたい。
「お前、なぜここにいる」
カチャ_と向けられたのは銃口。
あの日、敦を傷つけた物。
ああ、どうせなら俺もそれで死にたい。…敦のところにいきたい。…いっそのこと、このまま……
『真輝っ!』
真輝「……っ!」
ーパンっ!!!!!!ー