moon~満ちる日舞う少女~【外伝】
い、たくない……?
真輝「……俺、生きてる…」
?「生きてるよ。君はまだ、生きてる」
その光景に目を奪われた。俺の前にたつのはさっきの銃口を向けた男ではなく、そいつを踏みつけた女の子。
まるでそれは神のようだった。
?「……さ、行こう」
真輝「…え……?」
?「ここから出よう」
真輝「……ううん。俺はここで…」
?「ここで死にたい?」
真輝「……っ」
?「…………理由とかわかんないけど、私は目の前で助けを求める人を死なせたくない」
真輝「……!…どうして」
?「…助けてって、言ったでしょう?きっと君にとっての助けっていうのは、こういうことじゃないのかもしれないけど………君はまだ死にたくないって眼をしてる」
死にたくない?……そんなこと…
?「人は死ぬ間際になってから知るんだよ。自分はまだここで死にたくないってね。…きっと、君はまだここで、死ねないんだよ」
まだ、死ねない?
?「…君の助けを呼ぶ声がした。……」
と彼女言いながら俺に手を差し伸べた。
?「だから、もう一度言って。そしたら私は必ず君の力になるよ」
……俺はずっと待ってたのかもしれない。そう言ってくれるのを。誰かにずっと求めていたのかもしれない。
真輝「……助けて……助けてくれ!」
「うん」