moon~満ちる日舞う少女~【外伝】
重なる偶然の結果
【中学3年の冬】
譲「どーぞー……どーぞー」
「おい譲〜もう少しにこやかにできないのかぁ?」
譲「店長、それは無理っす」
「なんでだ?」
譲「だって…」
こんな…!!
譲「こんなクリスマスの日にリア充たちを見ながらケーキを売るってどんな拷問だー!!!!」
「うん、わかるけど。声のボリューム落とそうか」
はぁ。街はキラキラ。恋人同士は手を繋ぎいちゃいちゃしながらケーキに目もくれず通り過ぎていく。
譲「彼女ほしー」
?「あのー」
譲「あ、はーい」
?「このケーキ買いたいんですけど」
なっー!こ、このお客さんめちゃくちゃ美人!!!
譲「もちろんどうぞ!!」
やべー!もうバイトとか投げ出して彼女とデートしてぇ…
「…あの、オススメはどれですか?」
譲「そうですね!!こちらの苺ケーキなんかオススメですよっ!!!……それで、あの…よかったら…一緒に…なんて」
?「おーい、ケーキあったか?」
んぐ?!こっちはイケメンだな!
?「うん。店員さんがこれオススメって」
なっ!!まさかの2人知り合い?!!…つーか並ぶと美男美女…ってことは恋人どうし?!!
?「じゃあこの苺のホールケーキを2つください」
譲「…はぃ……ホールケーキを…お2つ…」