moon~満ちる日舞う少女~【外伝】






「かはっ…んぐん…」


ご飯を口の中にかきこんだ。

今日のご飯は少し赤くなって腐ったようなお米と食パンの耳だけだ。けれどこれでも良い方で悪い時にはゴミにすら見えてくる変なものがまぜ合わさったご飯だったりする。



「わぁ"ぁああ"アァァあぁあ"あ"」


…またか

こんな生活で生きていたら狂ってしまうやつもでてくる。

ーパンっー

その音で声は聞こえなくなる。

飛び散った血が俺たちに食欲を無くされるのだが、食べておかないと死んでしまう。きっとここにいるみんな同じことを思うのだろう。



そんなある日。


「なぁ」


俺と同い年くらいの男の子に声をかけられた。もちろん、見つかれば即刻殺されてしまう。そのため声を極限まで抑え監視の目を逃れて話かけてきた。


「俺たちと逃げないか?」


思わずえ?!と声を出しそうになるのを堪えた。今までに逃げようとして殺されたやつを沢山見てきた。こいつらだってそのはずだ。



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