moon~満ちる日舞う少女~【外伝】
あいつらと別れて俺はそいつが出たと言われる街の方へ歩き出していた。
フルムーン…か。…名前が恥ずかしい奴だな。満月かよっ。
……そういえば、今日も満月だな…
「キャァァァァァア!!」
……なんだ?女の悲鳴?
あっちからだ……一応、いってみるか。
ー…
真田「な、んだよ…これ……」
血の海とはこのことを言うんだろう。当たりが真っ赤に染まり、人が倒れている。
「オラァァァ!!」
暴れてる奴がいんのか…。
……族か?数が多いな。
真田「…!」
あそこにいるのが総長だな……さすがに強ぇ。…っていうか、なんか変な動き……まるで暴走してるみたいな…
薬……か?
仕方ねぇ。今日は諦めて別の日にするか。……俺にはこの状況に手を貸す道理がないし、この騒ぎだと見つけられねぇだろうし…。
それに、警察沙汰にでもなれば、母さんに迷惑もかかる。
俺はその場を離れようとした。
そこにその人は現れた。
フ「ねぇ、帰るのは勝手だけど…せめて警察に連絡してくれない?」
こいつだ、そう思った。……金髪に満月の光でてらされる綺麗な顔。まさにフルムーンだ、と。
真田「フルムーン…」
フ「あれ、私のこと知ってるんだ。……まぁいいや、とにかく今私携帯もってないんだ。だからお願いねっ」
まさかあの中に?!!