moon~満ちる日舞う少女~【外伝】
〜奈津side〜
奈「わりぃ、トイレ行ってくるわ」
そう言って俺は修也と別れる。
トイレについて扉を開いてすぐ座り込み息を吐いた。
奈「はぁぁ…」
やってしまった。
うっかりつられて陽一君の名前を出してしまった。
修也に美月から聞いたと言われた時は心臓を掴まれたみたいな気分だった。
そうだよな。やっぱり話すわけ、ねぇよな。
修也達月龍どころか、夜舞のメンバーでさえしらない…俺と美月と香月しか知らないはずだから。
いや、香月は記憶が無いんだったか…
奈「……もう、美月を苦しめんな…」
俺は拳から血がたれていたことに全く気づかないほど、拳をギュッと握りしめていた。