dieっと
まだ1日目なのに、8.8kgも減った。
あとたったの1.2kgで、クリアだ。
早くも1抜けに王手をかけた__のは、もちろん私たちBチームではない。
Aチームは、屈強なデブが勢揃いしていた。
ウエイトリフティングやレスリング、柔道をやっているそうで、どの種目にも階級がある。
だから体重を2kg減らすくらいは簡単なのかもしれない。
「間違いなく、あそこが抜けるな」
小塚さんの言葉に、私も頷く。
となると、残りは1チームのみ。
焦りからか、次々と体重を測定しているが、どれも5kgも痩せてはいない。
残りのチームは、横並びといってもいい。
体重を計るのは3度まで。しかもその3度目に10kg減っていなければ、失格どころかペナルティーだ。
いつ計るかの見極めも大事となってくるが、あまり慎重すぎてもダメだ。早い者勝ちで、枠はあと1つと考えたほうがいい。
「1回、計ったほうが良くない?」
私はそう提案した。
昨日のダイエットで、どれくらい減っているのか?
走り続け、水分はとったがご飯は食べてはいない。
恐らく5kgくらいは減っているんじゃ?
これからの目安にもなるし、私たちは透明な壁に囲まれた巨大体重計に乗ることにした。
「せめて3kgはいってるだろう?」という小塚さんの読みを、篤志が一蹴する。
「お前は甘いな」
と。