dieっと
「真帆ちゃん、もう今日は休もう」
日付が変わろうとする時間だ。
ジムにはもう、私と小塚さんしか居なかった。
昨日までは夜中にも沢山、参加者が汗を流していたのに。
Aチームが抜けるのは間違いない。
あと1枠を、4チームで争うが、ほぼどんぐりの背比べだ__うちを除いて。だからせめて少しでも減らして、喰らい付かないといけない。
「気持ちは分かるけど、真帆ちゃん1人ではダメだ」
「でも__」
「みんなの気持ちが1つにならないと。それには、まず真帆ちゃんが、他の仲間を信用しないといけないんじゃないかな?1人で背追い込むんじゃなくて、周りを信頼しないと」
「周りを、信頼」
口にして初めて、信頼し切ってないのだと気づいた。
心では信じていても、こうやって走っている。
しかも、小塚さんを巻き込んで。
「小塚さんの言う通りだね。今日はもう休む」
「うん、ありがとう」
「お礼を言うのは私のほうなのに。でもつい気負っちゃうの、由加里の分までって」
「そうか。そういえば、元気にしてるかな?」
「もりもり食べて太ってたりしてね」
「あり得るかもしれない」
なんて、2人で笑い合った。
笑うとやっぱり目がなくなる。
この笑顔を見ているだけで、心から安心できるな。
「あの、真帆ちゃん?」
「ん?」
小塚さんは、いつになく真剣な顔をしていた。