dieっと


えっ?失格?


ペナルティーって?


驚きの輪が広がりつつある中、Aチームの面々は呆然と顔を見合わせている。


あと、たったの0.1kg。


1日目で一気に9kg近く減ったから、楽勝だと安心したのだろうか?全員が油断したのかもしれない。


私たちが見守る中、Aチームは体重計を下り__。


ガンっ‼︎


大きな音がした。


ガンガンガン‼︎


壁を、叩いている?


それも今にも割れそうな勢いで叩くが、体重計を取り囲んでいる透明の壁はビクともしない。


「おい‼︎開かないぞ‼︎」


壁は防音されているのか、そんな声もくぐもって聞こえてくる。


どうやら扉が開かないようだ。


クリアできると思い込んでいた測定に失敗し、誰が悪いのかと責任の押し付け合いが始まり、肩を小突きあっている中、扉は開かない。苛々が増長されるはず。


「ちょっと、止めないと」


そうは言うものの、今や殴り合いにまで発展した仲間割れも、壁の外からじゃ止めることができない。


「と、とにかく行こう‼︎」


小塚さんについて、体重計の側まで行った時だった。


シューッという音とともに、白い煙が箱の中を充満していく。


激しく咳き込むAチーム。


煙で、中が何も見えなくなった。



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