dieっと
なにも聞こえない。
壁を叩く音も、咳き込む声も、気配さえ消えてしまった。
私たち参加者たちは、引き寄せられるように【透明な箱】に近づく。
中でなにがあった?
どうして体重計から下りることができない?
白い煙は、一体なんだ⁇
すると、蠢いていた煙が吸い込まていく。
誰もが息を殺し、煙が晴れていくのを__。
バンっ‼︎
突然、男が現れた。
煙をかき分け、壁に顔を打ち付けた男は__目、鼻、口、耳からも血を流して、断末魔の叫び声を上げている。
「なんだ、これ?」
小塚さんの呟きは、みんなの気持ちを代弁していた。
白い煙のせい?
あれはきっと__「毒だ」と誰かが言った。
瞬く間に、目の前で行われたのが【処刑】だと全員に広がっていく。
煙が全て消えてなくなると、そこにはAチームが横たわっていた。折り重なるように、全員が死んでいる?
透明だった壁には、自らがぶつかったであろう血が生々しく付着している。
ペナルティー、それは【全員の死】だというのか?
「うそだろ?に、逃げなきゃ‼︎」
誰かが叫び、駆け出したのを合図に私たち参加者は逃げ出した。
我先にと建物の出口に押し寄せる。
しかし。
ドアは開かない。