dieっと


あまりに恐ろしくて、思わず小塚さんの胸に飛び込んでいた。


「大丈夫だよ、僕がついてるから」


優しくそっと、私の震えを止めてくれる。


その横では、泣き喚く篠田さんを、吉野さんが懸命に励ましていた。


みんな、自分のことで精一杯なのに、こんな時に誰かを気にかけるなんて、やっぱり小塚さんも吉野さんも優しいんだ。


でも__私が震える理由は、それだけじゃない。


由加里のメッセージを思い出したからだ。


【今すぐ逃げろ】と書かれたメッセージは、由加里がここを出てからのこと。それって、由加里の身になにかあったんじゃ?それに由加里はきっと、自分より周りを気にする、広い心の持ち主だ。


だから私に危険を知らせるメッセージを送ってきた。


それなら今、由加里は__?


考えても考えても、悪いほうにばかりしかいかない。


だって、なにも解決策がないじゃないか⁉︎


「嘆く暇があったら、1gでも多く痩せることだな」


唯一、冷静な篤志がぼそりと言った。


目の前で人が死んだのに、次は自分たちかもしれないのに、この男はなにも慌てる様子がない。


まるで【1度、経験している】かのように__?




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