dieっと
タイムリミットはあと1日。
【痩せる】か【死ぬ】かの2択しかない。
絶望が、容赦なく私たちにのし掛かる。
恐怖に肩を震わせていた私たちは、身動き1つすることもできずに、ただ立ち尽くしていた__。
「まだ生き残る方法があるだろう?」
篤志だけが、事の成り行きを知っていたかのように全く動じない。
唯一、生き残る方法。
それは__痩せることだ。
10kg痩せればいい。そうすれば次に進める。その次が安全である保証はどこにもないが、死を待つよりはいい。たとえその【死】が延びるだけだとしても。
現実を受け入れた時、1人、また1人と広間から駆けていく。
痩せるために、走るんだ。
生きるために。
「行こう、真帆ちゃん」
小塚さんに促され、私たちBチームもダイエットに戻った。
残り4kg。
これまでとは、明らかに空気が違う。
此の期に及んで、他人任せで楽をしようなんて裏切り者はいないだろう。あの篤志でさえ、真剣な顔で走り込んでいる。
小塚さんも懸命に走っていた。
篠田さんはまだ泣いていたが、それでも足を動かす。
吉野さんの顔色はさらに悪くなるが、それでも苦痛に顔を歪めて走っている。
私も、必死で走った。
痩せるために。
殺されないために__。