dieっと
暴れ龍のように、全てを焼き焦がしていく。
決して逃げられない籠の中で、助けを求めてもがく__かつては人間であったもの。
皮膚が焼け爛(ただ)れ、顔が溶け落ち、目玉が垂れ下がっていくDチームを、火が包み込む。
「ひどい」
それしか呟くことができない。
炎の渦巻きが最高潮に達した時、ようやく消化が行われた。
箱の中に残されたのは、黒ずんだ塊。
【清掃にしばらくかかりますので、今しばらくお待ち下さい】
他のチームが逃げるように出て行く中、塊がスタッフによって運び出されていく様子を、私たちは見入っていた。
次は自分たちかもしれない。
あれが、未来の姿。
数分先の私なんだ__。
【準備が整いました。体重測定を行って下さい】
そう促されても、完全に怖じ気付いた私たちは互いの顔を見合わせるだけで、体重計に進むことはできなかった。
代わりに、Eチームが颯爽と名乗り出る。
怖くないのだろうか?
失敗すれば、箱の中で焼き殺されるかもしれないのに?
それなのに、迷うことない確かな足取りで体重計に乗り始めるEチームの__5人?
「おかしい」
やっぱり気づいたのか、小塚さんが呆然と言った。
「4人しかいない」
と。