dieっと


1チーム5人のはず。


よく覚えていないが、確か太った男性が居たはず?


それなのに体重計に乗っているのは、4人だけ。


「どういうこと?」


私の疑問はすぐに解明される。


【Eチームの合計体重は362kg。82kgの減量に成功】


82kg?


10kg痩せればいいだけなのに、82kgも痩せた?


この5日間で⁇


いや、不可能だ。


10kgならまだしも、80kgなんて、人1人の重さじゃないか?


「あれ、見ろよ」


篤志が指差すのは、体重計から下りてくるEチームの面々。


箱に閉じ込められることなく合格したわけたが、その顔はホッとしたというより、強張っている。その頬がなぜか赤い。よく見れば、そこら中が赤い。


「まさか__血?」


「そのまさかだな。10kg減らないって判断して、仲間を1人始末したんだろう」


「そんな、始末だなんて__」


「全員が無駄死にするくらいなら、誰かを生贄にしたほうがいいだろう?俺たちもそうするか?」


篤志が、私たちの顔を見回す。


誰かを、殺すってこと?


自分たちの手で?


そんなこと__と思いつつ、つい【裏切り者】を見てしまった。考えを振り払うように、慌てて視線をそらしたが__。


「なに俺を見てんだよ?」


そう言って睨み返してきたんだ。


沢渡篤志が。



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