dieっと
【太田真帆】vs【米山多恵】
チーム戦の翌日。
広間に集まった私たちは、互いの顔を見合わせる。
あれだけ居た参加者も、残りわずか。
それより私は、自分自身に驚いていた。
壮絶な戦い。
壁に潰されて肉の塊になる寸前だったんだ。
もう逃げ場がないと知った時の、絶望感。
目の前で繰り広げられる、理不尽なペナルティー。
人の命が尽きるのを目の当たりにしていたのに__。
その後、出された豪勢な食事。
気づけば私は、貪るように食べていた。
何日振りの食事だろうか?
誰しもが、一言も言葉を発することなく【肉】を咀嚼する音だけが聞こえてくる。
ここで栄養を蓄えておかないと、きっとまた想像を絶する戦いが待っているから。
貪るような食事が終わると、貪るように眠りを漁る。
あんな悲惨な目に遭ったというのに、私は朝まで目を覚ますことはなかった。
どこからともなく、力が湧いてくる。
自分のどこに、そんな力があるのかと不思議に思うくらいだ。
【それでは、1vs1の指名戦を行なって頂きます】
そんなアナウンスに、チラリと参加者を見回す。
男と目が合った。
慌ててそらす。
あいつはダメだ。
あいつだけは。
あの男だけは__。