dieっと
【これより、太田真帆さんvs米山多恵(よねやまたえ)さんの個人戦を行います】
別室に案内されると、そこには__。
【お2人に競って頂くのは、自転車ダイエットです】
部屋の中央に、自転車が2台。
背を向ける形で並べられている。
そして、ママチャリの背から伸びるロープのようなものが1本。
その自転車と自転車の間には、なにやら布で覆われており、きっと仕掛けがあるはずだ。
【それではルールを説明します。これからお2人には自転車を漕いで頂きます。消費カロリーを競って頂き、1カロリーでも多いほうを勝者とします】
「真帆ちゃん‼︎これならいける」
小塚さんが、声を掛けてくれた。
頷いたが、もしかしたら、小塚さんと対戦する可能性もあるんだ。
チームは解散したからだ。
Eチームが指名権を持っているが、同じEチームを指名しないとは限らない。
ここからは完全に個人戦なんだ。
それなのに、私を気遣って応援してくれる気持ちが嬉しい。
「楽勝、とか思ってないよな?」
そんな気持ちに水を差すように、篤志が睨(ね)めつけてくる。
「あのチームは1人を殺して勝ち上がった。それがなんで、あの婆さんじゃなかったか?今も1番に指名した。あのババアは、相当な曲者だ」
あえて私を脅してくるが、言うことは最もだ。
なにより、米山多恵には【余裕】があった。