dieっと


1つの部屋に、大きな丸太が横たわっている。


その両端には【のこぎり】が刺さっており、北山竜一と由加里はそれぞれ分かれて、のこぎりを手にした。


早さを競う?


カロリーを消費する?


そんなことは建前であって、またなんらかの仕掛けがあるはずだ。


どちらかが命を落とすまで戦う。


圧倒的に、由加里が不利じゃないか?


体力的にも、斧で仲間を斬殺した北山には勝てない。


こんなの、初めっから勝負が決まっている。


しかも由加里は、ぼーっとしていて私の呼びかけにも応じない。


散々、ひどい目に遭ったのに、また戦うなんて__。


「由加里、大丈夫かな?」


「信じよう。僕たちが諦めちゃダメだ」


「でも__」


「2人はまた会おうって約束してたじゃないか。それが叶ったんだ、きっと大丈夫だから」


小塚さんの言葉に、私は由加里との約束を思い出していた。


固く抱きしめ合って、再会を誓った。


まさかこんなに早く叶うとは思わなかったが、小塚さんの言う通りだ。


私は由加里を信じる。


きっと私の声が届くはず。


「由加里‼︎がんばって!」


だから諦めないで、応援するんだ。


きっと、きっと勝つはずだと。


【それでは、丸太切りダイエット、はじめ‼︎】



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