dieっと


私と、由加里の決勝戦?


ということは、篤志は__?


下の部屋へと続く蓋を持ち上げたが、ビクともしなかった。


力が抜けていく。


その場に座り込んだ私は、しばらくなにも考えらことができなかったが、激しく咳き込む声で我に返った。


「由加里?大丈夫?」


うずくまって苦しげに咳をしているその声は、とてもか弱いものだ。


あれだけの時間、息継ぎもせずに水中にいた。


体に負担がのし掛かるのも無理はない。


真っ青な顔で小刻みに震えている。


「由加里__?」


恐る恐る、手を伸ばす。


私の指先も激しく震えていた。


触れた瞬間、爆発でもしてしまうかのように__。


そっと、由加里の冷たい肩に触れる。


手のひら全体で、由加里を感じた。


強張ってはいるが、間違いなく私が知っている友人。


決して【獣】なんかじゃない。


「大丈夫?しっかりして」


背中を優しく叩くと、ようやく咳が止まった。


吸い込んだ水を全て吐き出したのだろう、呼吸は荒かったが、それも次第に落ち着いていく。


それでも寒いのか、震えている肩を抱き締める。


大丈夫と何度も繰り返しながら__。


すると、由加里が顔を上げた。


「真、帆__?」



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