dieっと


さらに時間が過ぎていく。


自分が尿を流したたことで、これまで遮断してきた匂いが鼻を突き始めた。


由加里はもうとっくに、垂れ流していたが。


人間の尊厳を刈り取っていくその行為は、やる気も同時に奪い去っていく。


もう一度、トライできるだろうか?


飲めるだけの尿が溜まるのに、一体どれくらいかかるのか?


そしてまた、突き飛ばされて終わるんじゃないか?


もう、どうしていいか分からない。


唸り声がやんだと思うと、次は啜り泣きだ。


悲しい泣き声がいつまでも続く。


こっちが泣きたい。


泣き喚いて泣き散らして、声が出なくなるまで叫び続けたい。


耳を塞いでも聞こえてくる。


目を閉じても眠れない。


極限の精神状態に追い込まれる中、とうとう由加里は自分を痛めつけ始めた。


頭を叩くなんて生易しいものではなく、頭を壁に打ち付つける。


血が出ても、怯むことなく打つ。


何度も、何度も。


「由加里、やめて‼︎」


羽交い締めにして止めるが、すぐに振り払われる。


再び額を打ちつけた反動で、後ろに倒れて動かなくなった。


どうやら意識を失ったようだ。


その時、私はふと思った。


このままいけば、由加里は【自滅】するんじゃないか?


私が食べられるのが先か?


由加里が自滅するのが先か?



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