dieっと
突如、浴びせられた暴言にデブたちがピタリと足を止めた。
辺りが、水を打ったように静まり返る。
「おいデブども、よーく聞け。いいか、良く聞けよ」
優しかった声は一転、私たちを断罪するかのようで。
誰1人、動くことができない。
女はやがて拡声器を口に当たると、胸を張って見下ろした。
「二本足で歩くなんて、なんておこがましい‼︎お前らは【豚】だ。ぶくぶくぶくぶく、際限なく太りやがって。手をついて歩け、その手は、豚足だからな‼︎」
「__ひどいな」
隣にいた小塚さんは呟いて、自分の手を見つめている。
丸い丸い、熊手のような手を。
「おい、誰が帰っていいって言った⁉︎なにー?こんなひどいこと言われて、我慢できない?どうぞどうぞ、お帰り下さい‼︎家に帰ってまた食っちゃ寝食っちゃ寝して、更に太るの?誰からも見向きもされず、周りのせいにして、逃げ続けるの?それで逃げ果せるの?」
言葉は、私たち大きな風船を突き破る針となる。
誰も反論できない。
それは事実だからだ。
だからこうして、私たちはここにいる。
自分を変えたくて。
今の自分が、嫌いだから__。