dieっと
懐かしい、あの公園。
いつも最後は、夜の公園で〆るのが日課だった。
そこには、誰も居ないから。
居たとしても、暗くて分からないから。
私が太っているのが、分からないから。
「真帆、今日はありがとう」
雅也が、素直にお礼を言う。
こんな殊勝な雅也を、今まで見たことがない。
「私のほうこそ、ありがとう」
「あの、それで話なんだけどさ__」
歯切れが悪くなった雅也に、急に抱き締められた。
すっぽり、その腕の中におさまる。
「雅也?だめだよ」
「俺、やっぱり真帆が好きだ!」
「でも、彼女は?」
「彼女?」
ん?と首を傾げる。
デブだから別れようと、言ったじゃないか。
細くて可愛い彼女の肩を抱きながら。
「あぁ、あいつとはとっくに別れた。あいつさ、なんか急に太りやがってさ。俺がデブ嫌いだって知ってんのに」
「そうなんだ」
「それに引き換え、真帆は痩せたもんな。すげぇよ」
「雅也を、見返したかったから」
「傷つけて、ごめんな」
「ううん」
「もう1回、真帆とやり直したい」
「うん」
「ホントに?ホントに俺でいい?」
「雅也がいいの」
「真帆」
雅也が、近づいてくる。
目を閉じて、近づいてくる。
私はそれを、見つめていた。
目を見開きながら。