dieっと
「結構な人だね?なにしようか。筋トレしてもね?」
トレーニングルームには、沢山のマシンが並んでいて更にデブがひしめき合っていた。
その中でも異彩を放つのが__。
「デブが使い方わかるのか?」
ランニングマシンで軽快に走っている、沢渡篤志だ。
爽やかな汗を流し、苦しい顔ひとつない完璧なフォームは、悔しいが様になっていた。
タンクトップから覗く体は、無駄な脂肪なんてない。
私たちは華麗に無視し、恐る恐るマシンに乗る。
とてもじゃないが、篤志のスピードで両手を小刻みに振って走るなんて芸当はできない。
亀くらいの速度で、しっかり枠を掴んでのそのそと進む。
「亀より遅いな」
横目で馬鹿にされるも、気にしない。
すぐに汗が噴き出てくる。
これでご飯を食べなければ、1日目はクリアする。
少し走って食事さえとらなければ、痩せるだろう。
それを3日間続けることは、とても苦しいけれど不可能ではない。
「真帆、がんばろ」
顎から汗が滴り落ちている由加里に励まされ、私は黙々と歩いた。
1時間ほど運動しただろうか?
「ちょっと食事したほうが良くない?」
「ご飯か」
あまり気乗りはしなかったが、食堂に向かった。