dieっと


とにかく体を動かすことにした。


トレーニングルームに行き、ランニングマシンで走り続ける。脇目も振らず、ただ黙々と走り続ける。


口にするのは、ほんのわずかな水のみ。


自分のどこに、こんな力があったのかと思うくらい。


それは、1人じゃないからか?


応援してくれる人に引っ張られ、後悔したくないからだろうか?


それなら__これまでの自分は何だったんだろう?


軽いダイエットはするものの、試みたことに満足して気づけばリバウンド。


恋人の【ぽっちゃりがいい】という言葉を鵜呑みにして甘え、挙げ句の果てに捨てられたではないか。


見返してやりたい。


後悔させてやりたい。


だから私は、痩せるんだ。


怒りでいい。


今、こうして走る原動力となっているのは怒りだ。


周りはデブばかり。


三桁クラスがうようよいる。


私もそれほど変わらない。


動くたびに、お腹や顎の肉が揺れて、すぐに汗をかいて座り込む。私も周りからあんな風に見えている。


変わりたい。


その思いに突き動かされ、私は走り続けた。


それしか手がないからだ。


それしか__。



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