dieっと
「じゃ、真帆の気がすむまで、私も付き合うよ」
そう言うと、由加里は隣で走り始めた。
もうノルマは達成しているはず。
ここで更に痩せてしまえば、3日目が大変になるというのに、私の無理に寄り添ってくれたんだ。
「__ありがとう」
ちゃんとお礼を言い、1時間後に切り上げた。
これ以上、巻き込むわけにはいかない。
それに、やるだけのことはやった。
かなり極端だが、これだけのダイエットを頑張ったのは初めてかもしれない。
ただ誰かを見返してやりたいという思いも、力になるだろう。
けれど、誰かと同じ目的に向かって突き進むのも、強い力になるんだ。
「由加里」
2つ年上だけれど、呼び捨てで名前を呼んだ。年齢差の垣根をなくして、仲良くしようと言ってくれたからだ。
「ここから出ても、友達でいてね」
「当たり前じゃん‼︎あたしが1億とったら、真帆に半分あげるよ」
戯(おど)けたように、由加里が笑った。
「じゃ、私が1億とったら半分ずつね」
「よし。それならどっちかが勝ち上がればいいわけだから、協力しよう‼︎」
「うん」
お互いの明日を讃え、部屋に戻った。
とにかく、まずは明日の体重測定だ。
なんとかクリアしたい。