dieっと
私たちが集められたのは、広いスタジオだった。
前面が鏡ばりになっており、中は明るくて、恐らくここはレッスンスタジオだろう。
次は何が、どんな関門が待ち受けているのか、私たちは戦々恐々としながら、ぞろぞろと入っていく。
【それでは、それぞれのペアで並んで下さい】
言われた通りに、鏡の前に並ぶ。
難航していたペア作りだが、2人で力を合わせると発表された途端、すぐにいくつものペアが出来上がる。
外部と遮断されているため、会話に飢えているからだ。
顔見知りになり、親しくなり、私と由加里のように仲良くなるペアも珍しくはない。
だが__。
「えっ⁉︎」
驚いて、横を見た。
「まあ、なんか成り行きで」
隣の小塚さんが、困った顔で頭をかいた。
なぜなら、小塚さんがペアを組んだのが、沢渡篤志だった。
とても協力的とは思えないが、大丈夫だろうか?
【これからレッスンを始めます。ペアのうち、どちらか1名が参加し、途中で何度、交代しても構いません。ただし、どちらも動けなくなった時点で、そのペアは失格となります】