dieっと


合宿期間はおよそ【1ヶ月】だ。


もし1ヶ月乗り切ったら、私は痩せているはず。


ひょっとしたら【1億円】も?__それはないか。


ちらほら、私と同じ大学生も居ないこともないが、だいたいが大人ばかり。


しかも、そこら中から飲み食いする音が聞こえてくるではないか。


緊迫感は無いに等しい。


本当にみんな、痩せたいのだろうか?


中には、全く太っていない人がいる。


「あれって、賞金目当てだよね?」


亜紀が、斜め前に座る男性を指差した。


確かに、どっから見ても太ってはいない。


けれど参加資格に【何kg以上】とは記載されていない以上、たとえ痩せていても参加はできるわけだ。


これからどう合宿が行われるかは分からないが、痩せていてもダイエットをすればいいだけの話。


それでも大半が3桁クラスで、バスの中でお弁当が配られると歓声が沸き起こった。


【牛タン弁当】だ。


これからダイエットをするのに?


今ひとつ腑に落ちなかったが、亜紀はがっつくように肉を放り込んでいる。


朝からなにも食べていない。


さっきからお腹が鳴りっぱなしだ。


私は箸で肉を一切れ摘むと、口に入れた___?



< 9 / 337 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop