dieっと
合宿期間はおよそ【1ヶ月】だ。
もし1ヶ月乗り切ったら、私は痩せているはず。
ひょっとしたら【1億円】も?__それはないか。
ちらほら、私と同じ大学生も居ないこともないが、だいたいが大人ばかり。
しかも、そこら中から飲み食いする音が聞こえてくるではないか。
緊迫感は無いに等しい。
本当にみんな、痩せたいのだろうか?
中には、全く太っていない人がいる。
「あれって、賞金目当てだよね?」
亜紀が、斜め前に座る男性を指差した。
確かに、どっから見ても太ってはいない。
けれど参加資格に【何kg以上】とは記載されていない以上、たとえ痩せていても参加はできるわけだ。
これからどう合宿が行われるかは分からないが、痩せていてもダイエットをすればいいだけの話。
それでも大半が3桁クラスで、バスの中でお弁当が配られると歓声が沸き起こった。
【牛タン弁当】だ。
これからダイエットをするのに?
今ひとつ腑に落ちなかったが、亜紀はがっつくように肉を放り込んでいる。
朝からなにも食べていない。
さっきからお腹が鳴りっぱなしだ。
私は箸で肉を一切れ摘むと、口に入れた___?