冷たい部長の甘い素顔

「それから、俺は、爽との事は、別に
隠さなくてもいいと思ってる。」

「え?
だって、みんなも気を使ってやりにくい
だろうし、部長が異動早々に部下と付き合い
始めたなんて、きっと私より将軍さんの立場が
悪くなるよ。」

「爽は、俺との事が公になったら、困る?」

「んー、困るっていうより、ちょっと
恥ずかしいかな。」

「恥ずかしい?」

「うん。
例えば、仕事の指示を受けてるだけなのに、
遠くからあらぬ想像をしてヒソヒソ
されるのは、不本意だったりするし…」

「そうか…」

「将軍さんだって、社長とかに知られたら、
心象悪くして、査定とかに響くんじゃない?」

「それは大丈夫。」

「そうなの?」

「むしろ、褒められた。」

と将軍さんは照れ臭そうに笑う。

< 111 / 192 >

この作品をシェア

pagetop