冷たい部長の甘い素顔

部長の顔には、仕事中には見せたことのない満面の笑みが浮かんでいた。

「…はい!」

私は、にっこり笑って、鍵を受け取り、席を後にした。

後ろでざわめきが起こる。

だけど、私は足を止める事なく、会社を出た。


将軍さんは、今頃、どんな顔をしているんだろう?

私はひとりでにくすくすとこみ上げてくる笑いを抑えられず、周囲からへんな視線を浴びながら、将軍さんの家への帰路に着いた。

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