冷たい部長の甘い素顔

振り返ると、そこには新郎姿の元カレ。

遠目で新郎新婦としか認識してなかった彼らが、まさか知り合いだとは思わない。

ましてや、それが元カレなんて。

新郎が立ち止まって、私を凝視するので、何事かと参列者全員の視線が私に集まる。

私はいたたまれなくなって、将軍さんに

「行こ」

と声を掛けて、歩を進めた。

「爽?」

将軍さんが心配そうに私を覗き込む。

私は、

「大丈夫。
後で説明するね。」

と言った。


私たちは、庭園を後にして、ホテルのラウンジでコーヒーを頼んだ。

将軍さんは、まだ心配そうに私を見ている。

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