冷たい部長の甘い素顔
「さっきの人、8月に別れた元カレなの。
まさかこんな所で会うとは思ってなかった。」
ふぅぅっ
と私がため息をつくと、将軍さんはなおも心配そうにしている。
「もしかして、まだ未練がある?」
私は、驚いて顔を上げた。
「それは、ない!」
私はまっすぐ将軍さんを見つめる。
「未練もないし、恨みもない。
あの時の別れがあったから、将軍さんと
出会えたんだし。
ただ、あの状況で呼び止められるのは、
非常識すぎて、いたたまれないというか、
恥ずかしすぎるというか…」
「まぁ、普通は見て見ぬ振りをする
だろうな。」
「でしょ?
あり得ないよね?」
私が苦笑すると、将軍さんは、
「でも、俺はあの男に感謝しなきゃな。」
と言った。