冷たい部長の甘い素顔

その後、私たちは、健全に朝風呂に入り、朝食をいただいた。

荷物をまとめて、旅館を後にする。

向かう先は、初デートのプラネタリウム。

今回は、冬の星座だった。

私は、左手を将軍さんの右手と繋いで夜空を見上げる。

上映終了間際、東の空が白み始めた頃、将軍さんが私の左手に何かを始めた。

ん?

薬指を滑る硬い感触…

私が視線を向けると、将軍さんはにっこり笑って囁いた。

「一生、俺のものでいてくれる?」

照明が戻って、ドーム内が明るくなると、私の左手には、キラキラ光る永遠に消えない星が瞬いていた。

「はい…」

私は、嬉しくてずっと左手を眺めていた。

< 160 / 192 >

この作品をシェア

pagetop