冷たい部長の甘い素顔
お料理が運ばれ、食事をしながら、社長が切り出した。

「来月の株主総会で、秦野くんを取締役に
推薦しようと思う。
特に反対する理由もないから、多分可決
されるんじゃないかな。」

私は、将軍さんを見た。

将軍さんは、真っ直ぐ社長を見て、

「ありがとうございます。」

とお礼を言った。

「でね、ここからが本題なんだけど。
これは、絶対にまだ内緒。
社外秘はもちろん、社内秘でお願いしますね。
もちろん、爽さんも。」

と社長は、念を押した。

「はい。」
「はい。」

私たちは、口を揃えて返事をする。

「うちの会社の将来について。
私もそれなりに年をとったから、将来が気に
なり始めてね。
でも、まあ、あと10年か15年位は社長として
がんばりたいとは思うんだけど、その後を
秦野くんに任せたいな…なんて最近
思うんだ。」
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