冷たい部長の甘い素顔
昼休み。
「ちょっと、爽、どういう事!?」
社食で真由が声を潜めて聞いて来た。
「何が?」
「歓迎会よ。
やらなくていいって本人が言ってるんだから、
やらなきゃいいじゃん!」
「だって、それじゃあ、みんな部長の事、
怖い人だと思ったままでしょ?
私、昨日、喋ったけど、そんなに怖く
ないよ?」
「そりゃ、爽だから!」
「へ? 何、それ?」
「爽ってば、社長にだって平気で話しかける
でしょ!?」
「まぁ、だって、社長、気さくでいい人
だよ?」
「それが変なんだって。
普通は、雲の上の人だから、会釈して通り
すぎるだけで、会話なんて向こうから話し
かけてこない限り、しないよ?」
「えぇ〜!?
そんなの私が社長だったら、寂しいから
ヤダなぁ。」