冷たい部長の甘い素顔
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19時

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私たちは例の雑居ビルの一階で待ち合わせた。

私がエレベーターホールに行くと、部長はもうそこで待っていた。

「お待たせしました。」

と私が言うと、部長はふっと柔らかい笑みを浮かべる。

「いや、大して待ってない。」

そう言うと、部長は私の腰を抱いてエレベーターに乗り込む。

私は、いきなり心臓が16ビートを刻む。

なんだか恥ずかしくて、顔を上げられず、私はエレベーターが最上階に着くまでずっと俯いていた。

店内に入り、今日は、一昨日とは違う席に案内された。

「綺麗…」

私は、頬杖をついて、窓の外を眺めた。

ふと、隣を見ると、部長は、無言で私を見つめていた。


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