冷たい部長の甘い素顔

私は、その心地よさに負けて、つい部長に寄り掛かってしまった。

「部長…」

「なんだ?」

「ズルいです。」

「何が?」

「私ばっかり、ドキドキさせられて、部長は
いつも平気な顔して、ズルいです。」

私は、部長の顔が見えないのをいい事に、思っている事を吐き出した。

「俺が、爽といて、ドキドキしないと
思ってるのか?」

そう言うと、部長は、私の頭を腕で包み込むように、私の耳を部長の胸に押し当てた。

部長の心臓の音が聞こえる。

私と同じくらいドキドキと響く音。

部長も私にドキドキしてるの?

私は、部長の胸から頭を離して、部長の顔を見上げた。

「何で?」

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