冷たい部長の甘い素顔

「実は、私、掃除と片付けが、大の苦手なん
です。
だから、将軍さん、私の雑然とした部屋に
来たら、きっとがっかりして私の事を嫌いに
なると思います。
将軍さんは、将来の事も考えてくれてるみたい
ですが、私と住んだら、将軍さん、きっと
イライラし通しだと思うんです。」

私の顔をじっと見て、真剣に話を聞いていた将軍さんは、突然、大声で笑った。

「あはははっ
神妙な顔して、何を言うかと思えば。
そんなの得意な方がやればいいだけだろ?
爽が片付けられないなら、爽が散らかす
側から、俺が片付けてってやるよ。」

「でも…」

私が言い淀むと、

「だいたい、爽が大雑把なのは、見てれば
分かる。
爽の良さは、それぐらいじゃ、なくならない
よ。」

と私の頭を撫でてくれた。

「ほんとに私でいいの?」

私が将軍さんを見上げながら聞くと、

「爽じゃなきゃ、ダメなんだ。」

と言って、抱きしめてくれた。

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