冷たい部長の甘い素顔
「ごちそうさまでした。
とってもおいしかったです。
また作ってくださいね。」
そう言うと、やはり将軍さんは優しく微笑んでいる。
「じゃあ、明日も早いし、送ってくよ。」
そう言って、将軍さんは立ち上がった。
「はい。」
将軍さんの運転で私のマンションまで送ってもらう。
「今日も楽しかったです。
ありがとうございました。」
私がお礼を言って、車を降りようとすると、左手を彼に掴まれた。
振り返ると、将軍さんが私を見つめている。
「しょう…い…さん?」
「爽…」
将軍さんの顔が近づいてきて、唇が重なった。
何度も何度も角度を変えて重なる唇から、離れ難い想いが募っていく。
「はぁ…
ダメだ…
どんどん帰したくなくなる…」
将軍さんが私の手を握りしめる。
「…って、俺、大人気ないよな…
ごめん…」
そう言って、将軍さんは自嘲するように笑った。
将軍さんは、私の手を離して車から降りると、助手席で固まっていた私の手を引いて降ろしてくれた。
将軍さんは、ふわりと私を抱きしめて、
「また明日。」
と言うと、さらりと離れた。
私は、運転席に乗り込み、去っていく将軍さんを見送ってから、部屋に戻った。
どうしよう…
毎日、どんどん、将軍さんの事を好きになってく…
28にもなって、こんなに恋に溺れる日が来るとは思ってなかった…