冷たい部長の甘い素顔

昼休み。

私は社食で、真由と取り留めもない話をしながら、お弁当を食べていた。

すると、後ろから声を掛けられた。

「園部さん。」

振り返ると、そこには社長が。

「社長!
こんにちは。
社食でお会いするなんて、珍しいですね。」

「あぁ。
この後、会議だから、簡単に食事をと
思ってね。
隣、お邪魔してもいいかな?」

「もちろんです!
それにしても、社長、お忙しそうですね。
無理せず、お体だけは、大切になさって
くださいね。」

と私が言うと、

「ありがとう。
園部さんぐらいだよ、そんな風に気遣って
くれるのは。」

「そんなはずありませんよ。
皆さん、直接、声に出さないだけで、心配
なさってると思いますよ。」

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