LOVE DAYS

「…凄い」


パァンッ――…と一直線に矢が向かった先は的に中ってて、それもど真ん中。

あたしが来る前に何度かしたのだろうか、全て的中している。

カイトくんが言ってた。

晴馬君は全国制覇するほどのつわものだって。


晴馬君が構える仕草が何でか色っぽく見えた。

やばい。なんであたしこんなにも晴馬君の事を気にしてるんだろうか。


分からない。

分からないけど、なぜか目が潤んだ。


自分の所為なのに晴馬君に避けられたことが辛い。

自業自得なのに、なんで晴馬君に素っ気なくされると苦しいんだろう。


心がモヤモヤする。

どうしようもなくて苦しくて。

それとは別に佐々木君の事が頭に浮かんで余計に苦しくなった。


行きたくない。

自業自得だと分かっているのに、涙が伝った。


「…萌ちん?」


不意に聞こえた声にハッと視線を上げた。

フェンス越しから覗くようにあたしの顔を見つめる晴馬君が居る。


「あ、ごめん。ごめんねっ、」


掴んでいたフェンスを離し、どうしたらいいのか分からなくなったあたしは駆け足でその場から離れる。

だけど、「待てよ」そう言って扉から出て来た晴馬君はあたしの腕を力強く掴んだ。


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