LOVE DAYS
「…萌が好きだから。高校に入っていつの間にか萌が俺の中にいた」
「…え、晴馬君?本気?」
「本気って、俺ずっとずっと萌に言ってる」
「だって嘘っぽいし」
「それって俺の見かけ?萌の好きな好青年になったら考えてくれるって事?」
…好青年。
晴馬君に言った。
あたしは好青年みたいな人がいいって。
それは佐々木君の事で。
でも、もうあたしの胸の中は佐々木君なんかいなくて…
明日、佐々木君に会うんだ。なんて言えない。
「晴馬君は晴馬君だよ。見かけが変わっても中身が同じだからそんな事しても一緒だよ」
「それって、どう解釈したらいいのかわかんねぇな…」
「そのままがいいって事だよ」
「あー…そっか、なるほど」
「うん」
「なぁ、萌?明日の大会で優勝したらお前の一日を俺に頂戴?」
「それってデートって事?」
「そう。もし負けたら、萌の事もう吹っ切るつもりだから」
「……」
「でも俺、負ける気しねーから」
晴馬君がそう言った言葉に、また涙が頬を伝った。
何の涙かも分かんない。
いつもと違う晴馬君の優しさに心を打たれた。
あたしを好きだと言った晴馬君なのに、なぜかまだ切ない…