LOVE DAYS

「わりーけど、そいつの触れてる手、離してくんね?」

「は?なに?お前コイツの知り合い?だったら尚更じゃね?お前の前でヤッてやるから」

「テメー、」


ガンっと晴馬君がテーブルが蹴ってすぐ、あたしの口を塞いでた男の胸倉を晴馬君は掴む。

その瞬間、晴馬君の拳が男のお腹に直撃した。


「は、晴馬君っ、」


やっと空気が吸えた瞬間、思わず晴馬君の名前を叫んだ。


「わりーな遅くなって」

「ってーな、お前。殺されて―の?」

「お前に殺されるほどヤワじゃねーよ」


もう何が何だか分かんなかった。

晴馬くんが男の背中を蹴って他の男も殴るも、相手は5人いる。

だから晴馬君が勝ってる訳でもなく、


「萌っ、こっから出ろっ!!」


晴馬君の張り上げた声が教室に響いた。

でも震えて足が動かない。

身体が強張って動かない。


「おい、萌っ、聞いてのかよ!!早く出ろっ、」


相手の胸倉を掴みながら晴馬君が叫んでる。

だから震えた足を必死で動かして、


「逃がす訳ねぇじゃん」


ニコッ笑って触れてくる佐々木君が途轍もなく怖いと思った。


「いやっ、触らないで」

「あれ?萌、俺の事スキだっただろ?」

「好きじゃない」

「は?あんな浮かれてついてき――…」


ダンっ、と鈍い音が聞こえる。

晴馬君が佐々木君の背中を蹴った所為で、佐々木君の舌打ちが耳を掠めた。














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