LOVE DAYS
「てめー、コイツに障んなっつってんだろ」
「は、晴馬君っ、血がっ、」
口元から出る晴馬君の血が滲む。
「大した事ねーから萌は心配すんな」
「なんでここに居るの?大会は?大会どうなったの!?」
「大丈夫。代わりが居る」
「代わりって――…晴馬君危ないっ――…きゃっ、」
ドンっと背中を蹴られた晴馬君の身体があたしに覆いかぶさる。
「女に浮かれてんじゃねーよ」
チッと聞こえた晴馬君の舌打ちとともに「いってーな、」と洩れる声。
「晴馬君、ごめんね。あたしの所為で――…」
「萌は悪くない。だから――…」
「おい、藤堂。お前見てっとすげぇムカつく。昔からだけどよっ、」
グッと後ろから掴まれた晴馬君の身体が離れていく。
「は、晴馬くんっ――…」
「せんぱーい。晴馬先輩、あっち終わったけど。って、何やられてんの?――…あ、わりぃ足が滑った」
えっ、なに?透哉君まで。芹奈ちゃんはどうしたの?
ドア付近に居た一人の男が透哉くんに蹴られて身体を崩す。
「お前おせーよ。つかやられてねーし」
透哉君が来た事で男たちの視線があっちに向いた瞬間、晴馬君は掴まれていた男のお腹に拳を送り込んだ。
「藤堂、お前っ、」
「晴馬先輩のダチ捕まえるのに時間掛かって俺も手こずってた」
「悪いけど、コイツ頼むわ」
「あぁ。萌ちゃん、大丈夫?」
「透哉君、なんで?芹奈ちゃんと行ったんじゃ…」
「芹奈が萌ちゃんの様子がおかしいって言ってたから気になって。だから芹奈には一人で行ってもらった。その後、萌ちゃん見つけて後つけてった」
「……」
「まさか南条とは…とりあえずこっから出ねぇと」
コクリと頷くあたしに透哉君が腕を引っ張る。
いつの間にか教室に居た男たちは廊下に移ってて、出た瞬間、反対側の通路からくたばった男を引きずって歩いて来る三神くんが目に入った。