極上な王子は新妻を一途な愛で独占する
誤魔化しても、追及されたらぼろが出てしまう。

だから考えた末、正直に言う事に決めたのだ。

マグダレーナは、猛然とシェールに詰め寄って来る。

「戻りませんってどういう事なの？　私が来た時帰って来るように手紙を送ったのでしょう？」

「知らせは出しました」

家令がだけれど。

「だったら！」

「でも、アルフレート殿下が戻って来るのかは別問題です。マグダレーナ様も言っていましたよね。殿下には恋人がいるって」

「そ、それはそうだけど」

「こちらの事には興味が無いと思います。もうずっと戻って来ていないし、今更来ないと思いますよ。マグダレーナ様も期待はしない方がいいです」

さすがに一度も会った事はないとは言いづらいけれど、アルフレートがいかにシェールに無関心の、冷めきった夫婦なのか。

よって妻の義姉の来訪でわざわざ戻って来る訳がないのだと言う事を、マグダレーナにも理解して貰えたはずだ。

はっきり言った事でとても清々しい気持ちになっていると、マグナレートは大きなため息を吐いた。
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