極上な王子は新妻を一途な愛で独占する
7
その日の晩、シェールは体調を崩した。
家令が心配して薬師を手配しようとするのを、ユジェナ侯爵が止めた。
「なぜですか?」
驚く家令にユジェナ侯爵は面倒そうに言う。
「村の薬師程度が、王弟妃を診るのは荷が重いだろう」
「そんな事はありません。ノーラはかつては王都で活躍していた有能な薬師です。ラドミーラ妃殿下が、体調を崩すなどはじめての事です。もし大きな病だったら……」
家令はとても心配そうで、今にもノーラに使いを送りそうだった。
「どうせ気鬱で伏せっているだけだろうが……そこまで言うのなら私が帯同している医師に診させよう」
「医師をお連れなのですか?」
「ああ。若いが腕は確かだ。三年前に私付きにしたのだが、口が固く信用出来る。後で妃殿下の部屋に行かせよう」
「はい……では、よろしくお願い致します。結果は私にもお知らせください」
「随分と熱心だな」
ユジェナ侯爵が意外そうに言う。
「……アルフレート殿下よりラドミーラ妃殿下をお守りするするよう厳命されておりますので」
「ほう……それは良い事だ。我が娘は殿下に疎まれていると思っていたが、勘違いだったようだな」
ユジェナ侯爵は機嫌良く言い、従者に医師を呼ぶように告げた。
それから半刻の後、ユジェナ侯爵付きの医師が、シェールの部屋にひっそりと入って行った。
家令が心配して薬師を手配しようとするのを、ユジェナ侯爵が止めた。
「なぜですか?」
驚く家令にユジェナ侯爵は面倒そうに言う。
「村の薬師程度が、王弟妃を診るのは荷が重いだろう」
「そんな事はありません。ノーラはかつては王都で活躍していた有能な薬師です。ラドミーラ妃殿下が、体調を崩すなどはじめての事です。もし大きな病だったら……」
家令はとても心配そうで、今にもノーラに使いを送りそうだった。
「どうせ気鬱で伏せっているだけだろうが……そこまで言うのなら私が帯同している医師に診させよう」
「医師をお連れなのですか?」
「ああ。若いが腕は確かだ。三年前に私付きにしたのだが、口が固く信用出来る。後で妃殿下の部屋に行かせよう」
「はい……では、よろしくお願い致します。結果は私にもお知らせください」
「随分と熱心だな」
ユジェナ侯爵が意外そうに言う。
「……アルフレート殿下よりラドミーラ妃殿下をお守りするするよう厳命されておりますので」
「ほう……それは良い事だ。我が娘は殿下に疎まれていると思っていたが、勘違いだったようだな」
ユジェナ侯爵は機嫌良く言い、従者に医師を呼ぶように告げた。
それから半刻の後、ユジェナ侯爵付きの医師が、シェールの部屋にひっそりと入って行った。