極上な王子は新妻を一途な愛で独占する
「そうだね、ミシェールを助けたいのは私の自己満足。私はね、ミシェールに償いたいの」
「償い? ミシェールの病も入れ替わりの件も、シェールのせいじゃないだろう?」
不審そうにするカレルに、シェールは顔をこわばらせながら言った。
「私のせいなの。だって知っていたんだもの。水辺は危ないから近寄ったらいけない事も、ミシェールが水辺に行こうとしていた事も。それなのに私は止めないで黙っていたの。あんな事になるとは思わなくて」
シェールの告白に、カレルは驚愕する。
「なぜ黙っていたんだ?」
「……私、ミシェールに嫉妬していたの。ミシェールはお母さんと一緒に暮らせてみんなに大切にされて。私だってお母さんの子供なのに他所の家に出されて、ミシェールと似ないようにっていつも男の子の服だったし、髪だって短く切られていたの。後からそれはユジェナ侯爵に双子だって気付かれないようにする為だって分かったけど、小さな頃はそんな事理解できなくて、ミシェールが羨ましくて仕方なかった。ずるいって思ってたの。だから少し困ればいいと思った。ちょっと怖い目に会うくらいだと思っていたのに……それなのに」
シェールはそう言うとポロポロ涙を零し始めた。
「ミシェールの事は好きだった。不幸になって欲しいなんて思った事はないの。でもあの頃はいつも悲しくて寂しくてどうしていいか分からなかった。私もお母さんの側に居たかった、それだけだったのに……」
シェールは懺悔をしているのだと、カレルは感じた。
今この時に何もかも吐き出してしまえばいい。
ひとりで抱えていた苦しさも悲しさも。
そう思いながらシェールを優しく抱きしめて言う。
「その時のシェールはまだ幼かったのだから仕方ない。自分だけ母親から引き離されたら悲しくなるのは当たり前だし、親の愛情を必死に求めている幼子が大人の事情を理解して納得出来る訳がない……シェールは頑張ったよ。辛い過去があってもこんなに明るいし、他人に優しく出来る。ミシェールの為にひとりで三年近くもよく頑張ったよ」
「でも……いくら頑張ってもミシェールの身体は治らないわ。それにみんなを騙した。アルフレート殿下にだって酷い事をしたわ」
「償い? ミシェールの病も入れ替わりの件も、シェールのせいじゃないだろう?」
不審そうにするカレルに、シェールは顔をこわばらせながら言った。
「私のせいなの。だって知っていたんだもの。水辺は危ないから近寄ったらいけない事も、ミシェールが水辺に行こうとしていた事も。それなのに私は止めないで黙っていたの。あんな事になるとは思わなくて」
シェールの告白に、カレルは驚愕する。
「なぜ黙っていたんだ?」
「……私、ミシェールに嫉妬していたの。ミシェールはお母さんと一緒に暮らせてみんなに大切にされて。私だってお母さんの子供なのに他所の家に出されて、ミシェールと似ないようにっていつも男の子の服だったし、髪だって短く切られていたの。後からそれはユジェナ侯爵に双子だって気付かれないようにする為だって分かったけど、小さな頃はそんな事理解できなくて、ミシェールが羨ましくて仕方なかった。ずるいって思ってたの。だから少し困ればいいと思った。ちょっと怖い目に会うくらいだと思っていたのに……それなのに」
シェールはそう言うとポロポロ涙を零し始めた。
「ミシェールの事は好きだった。不幸になって欲しいなんて思った事はないの。でもあの頃はいつも悲しくて寂しくてどうしていいか分からなかった。私もお母さんの側に居たかった、それだけだったのに……」
シェールは懺悔をしているのだと、カレルは感じた。
今この時に何もかも吐き出してしまえばいい。
ひとりで抱えていた苦しさも悲しさも。
そう思いながらシェールを優しく抱きしめて言う。
「その時のシェールはまだ幼かったのだから仕方ない。自分だけ母親から引き離されたら悲しくなるのは当たり前だし、親の愛情を必死に求めている幼子が大人の事情を理解して納得出来る訳がない……シェールは頑張ったよ。辛い過去があってもこんなに明るいし、他人に優しく出来る。ミシェールの為にひとりで三年近くもよく頑張ったよ」
「でも……いくら頑張ってもミシェールの身体は治らないわ。それにみんなを騙した。アルフレート殿下にだって酷い事をしたわ」