姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



少しの間でいいから、どこか別の場所にいて欲しいと言ったのは、

加害者となる乙矢を見たくなかったからだ。

そして、乙矢を見張る事も頭にあったのかもしれない。

(もう、ここまで来た……)
 
ドアの向こう側にいる人間、彼は敵か……。
 
エリアルは布団から這い出し、暗闇に目を凝らした。
 

皮肉にも暗い部屋は、明るい電気で照らされた部屋の中よりも、


よく見えた。 



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