姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③



ドアをノックせずに開けたのは、

それが意味の無い事だと分かっていたからだった。
 

『これくらい』、分かって貰わなければ困る。
 
思った通り、エリアルは起きていた。

じっと警戒するように、こちらを凝視している。
 
しかし正直、目が合った瞬間に首を掴まれるとは思わなかった。


苦しさのあまり、乙矢はケースを取り落とし、

首を圧迫しているエリアルの手に爪を立てていた。



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